原則として株式会社は株券を発行しない。例外的に株式会社は株券を発行する旨を定款に定めてもよい(214条)。株券を発行する会社を株券発行会社といい、発行しない会社を株券廃止会社という。
株券廃止会社は当事者の意思表示のみで株券を譲渡することができるが、株式取得者の指名等を株主名簿に記載・記録しなければ、株式会社その他第三者に株式譲渡を対抗することができない。(130条1項)
株券発行会社は株式を譲渡するには当事者の意思表示のみならず株券交付が必要である(128条1項本文。ただし、同条項ただし書)が、株式取得者の氏名等を株主名簿に記載・記録しなければ、株式会社に株券譲渡を対抗することができない。
株券とは株式を表彰する有価証券をいう。株券制度は株式の流通性を高めるためのものである。
株券を所持していても実質的には必ずしも権利者であるとは限らないが、株券発行会社における株式譲渡には株券交付が必要である(128条1項)ため、株券を所持している者は株主である蓋然性が高い。そこで、株券の占有者は適法な権利者と推定され(131条1項:権利推定的効力)、その者に株主としての形式的資格が与えられる。したがって、形式的資格者は、株式を取得した事実を証明しなくても株券の占有を主張・立証しさえすれば、株主としての権利を行使することができる。ただし、会社はそのものが無権利者であることを立証すれば、その権利行使を拒むことができる。
そのうえで、会社はこのような株券を占有する者を株主として扱えば、たとえその者が株主ではない場合でも、善意無重過失である限り、真の権利者に対して免責される。
一方で、株券の占有者から株式を譲り受けた者は、たとえ譲渡人が無権利者であっても、そのことにつき善意・無重過失であれば、株式を取得することができる(131条2項)。
株式が成立する時期は、?会社設立のときは会社の設立登記時(49条)?募集株式の発行のときは出資の履行をなすべき期日(209条)であって、それ以前には株式の効力は発生しない。
株券発行会社では、株券は株式を譲渡するために必要であるから(128条1項)会社は株式を発行した日以後延滞なく株券を発行しなければならない(215条1項)。
ただし、公開会社でない株券発行会社は、株主から請求があるときまでは、これらの規定の株券を発行しないことができる(215条4項)
株式会社においては、株式譲渡自由の原則が認められている(127条)。会社法は、この株式譲渡自由の原則を受けて、株式の動的安全保護の諸制度を設けているが、その結果、真実の株主が善意取得(131条2項)の成立により権利を失う危険性も増大する。そこで会社法は、一方で株式の静的安全の保護を図るための制度も設けている。
第一に名義書換制度(130条)、すなわち株主としての権利の行使は株主名簿の記載を基準にして行われるというものがあり、主として会社の事務処理の便宜のための制度ではあるが、株主は名義書換さえしておけばその後会社に株券を提示する必要はなくなり、株券の遺失・盗難の危険は減少するという意味で、株式の静的安全保護のための機能も間接的に有している。
第二に株券不所持制度(217条)がある。これは、株券の所持を欲しない株主のため、会社が株券を発行しないという制度であり、そもそも株券流通の可能性を制度的にあらかじめ排除しようとするものである。
第三に株券失効制度(221条以下)がある。これは株券喪失者が喪失株券の第三者による善意取得を排除して会社から株券の再発行を受けるために必要とされる制度である。
株主はその有する株式を原則として自由に他人に譲渡することができる(127条)これを株式譲渡自由の原則という。すなわち、株主が間接有限責任(104条)しか負わない株式会社では、債権者保護の見地から会社から株主への会社財産の実質的払戻しについては厳格な規制があるので(461条)、株主の投下資本回収の方法として株式譲渡を保障する必要がある。したがって、この株式譲渡の自由は可能な限り保障されなければならないので、例外的にこれが制限されることを規定する条文を解釈するにあたっても、できるだけ最小限の制限になるようにつとめなければならない。また、株式会社では、原則として所有を経営が分離され(331条2項本文)、株主の個性が問題とならないので、株主の自由な交替を認めても会社にはなんら影響もないことから採用されている。
他方でこのように株式の自由譲渡性が、株式会社にとって基本的な要請であるとしても、それを認めることによって生じる弊害の除去その他政策的見地から、法により制限される場合がある。というのもそもそも株主は無個性であって、株式譲渡の自由を認めてもなんら差し支えないはずであるが、小規模な非公開株式会社においては、株主の個性が問われる場合があり、このような会社において株式の自由譲渡性を貫くと、会社にとって好ましくないものが株式取得によって会社経営に参加することを許し、会社乗っ取り等会社運営の安定を害するおそれがあるからである。そこで定款によって株式譲渡を制限することも認められており、これは会社が自治的に定款をもって株式譲渡について会社の承認を要するものとする制度である(127条2項1号イ、108条2項4号)。
定款変更によって発行する全部の株式の内容として譲渡制限を設ける場合、既存株主を保護するために、株主総会の特殊決議が必要である(309条3項)。
株券廃止会社は当事者の意思表示のみで株券を譲渡することができるが、株式取得者の指名等を株主名簿に記載・記録しなければ、株式会社その他第三者に株式譲渡を対抗することができない。(130条1項)
株券発行会社は株式を譲渡するには当事者の意思表示のみならず株券交付が必要である(128条1項本文。ただし、同条項ただし書)が、株式取得者の氏名等を株主名簿に記載・記録しなければ、株式会社に株券譲渡を対抗することができない。
株券とは株式を表彰する有価証券をいう。株券制度は株式の流通性を高めるためのものである。
株券を所持していても実質的には必ずしも権利者であるとは限らないが、株券発行会社における株式譲渡には株券交付が必要である(128条1項)ため、株券を所持している者は株主である蓋然性が高い。そこで、株券の占有者は適法な権利者と推定され(131条1項:権利推定的効力)、その者に株主としての形式的資格が与えられる。したがって、形式的資格者は、株式を取得した事実を証明しなくても株券の占有を主張・立証しさえすれば、株主としての権利を行使することができる。ただし、会社はそのものが無権利者であることを立証すれば、その権利行使を拒むことができる。
そのうえで、会社はこのような株券を占有する者を株主として扱えば、たとえその者が株主ではない場合でも、善意無重過失である限り、真の権利者に対して免責される。
一方で、株券の占有者から株式を譲り受けた者は、たとえ譲渡人が無権利者であっても、そのことにつき善意・無重過失であれば、株式を取得することができる(131条2項)。
株式が成立する時期は、?会社設立のときは会社の設立登記時(49条)?募集株式の発行のときは出資の履行をなすべき期日(209条)であって、それ以前には株式の効力は発生しない。
株券発行会社では、株券は株式を譲渡するために必要であるから(128条1項)会社は株式を発行した日以後延滞なく株券を発行しなければならない(215条1項)。
ただし、公開会社でない株券発行会社は、株主から請求があるときまでは、これらの規定の株券を発行しないことができる(215条4項)
株式会社においては、株式譲渡自由の原則が認められている(127条)。会社法は、この株式譲渡自由の原則を受けて、株式の動的安全保護の諸制度を設けているが、その結果、真実の株主が善意取得(131条2項)の成立により権利を失う危険性も増大する。そこで会社法は、一方で株式の静的安全の保護を図るための制度も設けている。
第一に名義書換制度(130条)、すなわち株主としての権利の行使は株主名簿の記載を基準にして行われるというものがあり、主として会社の事務処理の便宜のための制度ではあるが、株主は名義書換さえしておけばその後会社に株券を提示する必要はなくなり、株券の遺失・盗難の危険は減少するという意味で、株式の静的安全保護のための機能も間接的に有している。
第二に株券不所持制度(217条)がある。これは、株券の所持を欲しない株主のため、会社が株券を発行しないという制度であり、そもそも株券流通の可能性を制度的にあらかじめ排除しようとするものである。
第三に株券失効制度(221条以下)がある。これは株券喪失者が喪失株券の第三者による善意取得を排除して会社から株券の再発行を受けるために必要とされる制度である。
株主はその有する株式を原則として自由に他人に譲渡することができる(127条)これを株式譲渡自由の原則という。すなわち、株主が間接有限責任(104条)しか負わない株式会社では、債権者保護の見地から会社から株主への会社財産の実質的払戻しについては厳格な規制があるので(461条)、株主の投下資本回収の方法として株式譲渡を保障する必要がある。したがって、この株式譲渡の自由は可能な限り保障されなければならないので、例外的にこれが制限されることを規定する条文を解釈するにあたっても、できるだけ最小限の制限になるようにつとめなければならない。また、株式会社では、原則として所有を経営が分離され(331条2項本文)、株主の個性が問題とならないので、株主の自由な交替を認めても会社にはなんら影響もないことから採用されている。
他方でこのように株式の自由譲渡性が、株式会社にとって基本的な要請であるとしても、それを認めることによって生じる弊害の除去その他政策的見地から、法により制限される場合がある。というのもそもそも株主は無個性であって、株式譲渡の自由を認めてもなんら差し支えないはずであるが、小規模な非公開株式会社においては、株主の個性が問われる場合があり、このような会社において株式の自由譲渡性を貫くと、会社にとって好ましくないものが株式取得によって会社経営に参加することを許し、会社乗っ取り等会社運営の安定を害するおそれがあるからである。そこで定款によって株式譲渡を制限することも認められており、これは会社が自治的に定款をもって株式譲渡について会社の承認を要するものとする制度である(127条2項1号イ、108条2項4号)。
定款変更によって発行する全部の株式の内容として譲渡制限を設ける場合、既存株主を保護するために、株主総会の特殊決議が必要である(309条3項)。
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